JR難波発のD普通だと??
各路線には何かしら歴史あるスジというものがあると考えています(例:新宮夜行の名残の快速紀伊田辺行、はんわライナーの名残のくろしお29号 etc.)。
これらは形を変えつつ継承され他のスジに紛れながら残ったりします。
さて、大和路線にはJR難波発、奈良経由京都行が早朝に設定されているのをご存じでしょうか。
Youtubeで取り上げられることも増えてきた列車です。なんだか歴史あるスジの匂いがプンプンしますね。
各メディアの投稿やコメント欄では「以前はもっとあったが~」「以前より減ってしまったが~」と表現され、ファンの間では何かしら気に掛けられていたのは確かですが、
多い時で何本あったのか?本数の増減は?といった情報は散在しているのが現状です。
結論をいいますと、昭和の時代からあるのではなく平成16年に生まれ本数の増減を経ながら現在も残っている列車であることがわかりました。

奈良経由京都行の本数の推移
ここでポケット時刻表の強みを発揮します。同駅・同方面の欄を見比べることで、特定の行先の列車本数は把握できます。そこで作成したのが次の図です。大和路線奈良経由京都行の本数の増減を示しています。天王寺駅のポケット時刻表17改正分を比較して合計しました。横軸の左端はまだ設定が無かった平成15(2003)年3月改正、右端は令和3(2021)年3月改正になります。平日を水色、土休日を赤色で示しました。

図からわかることは、本数的な最盛期は平成17年10月1日~平成19年3月18日の1年半。平日・土休日ともに5本ずつ運転されていました。
その後平日の本数は減少しますが平成23年3月12日改正以降現在まで本数的には3本で安定しています。
一方で土休日はあっという間に激減し、平成27年にはゼロになってしまいました。
2020年に、大和路線内快速&奈良線内みやこ路快速という”全区間快速運転大回り列車”として注目を浴びるまではひっそりと影を潜めていました。(そのQ快速 Dみ快の列車も2021年改正で半減しましたが・・・。)
平成15(2003)年3月ダイヤ改正
大和路線に京都行の種別が存在しなかった最後の頃

平成16(2004)年3月ダイヤ改正
大和路線に初の京都行が誕生。それまで奈良止まりだったものが京都まで延長される形での生まれた。

平成16(2004)年10月ダイヤ改正
同年3月改正で登場した京都行について、平日は種別、土休日は本数の点でそれぞれ変化があり。早朝の奈良行がさらに1本京都行になった。

平成17(2005)年3月ダイヤ改正
前年10月改正から変更はない。

平成17(2005)年10月ダイヤ改正
土休日において種別と本数に変更あり。それまで奈良行だった3本が奈良から快速という運行方法をする京都行として生まれ変わる。

平成18(2006)年3月ダイヤ改正
平日において種別に変更あり。全区間普通運転のうち1本が、土休日に設定されているものと同様、奈良から快速運転する運用に。種別が1つ増えたので新たな記号(◇)が表記に加わった。

平成18(2006)年10月ダイヤ改正
前回改正と変更なし。

平成19(2007)年3月ダイヤ改正
前回改正と変更なし。

平成20(2008)年3月ダイヤ改正
平日は前回改正と変更なし。土休日は1本が奈良止まりに短縮。

平成21(2009)年3月ダイヤ改正
1年前の改正と変更なし。

平成22(2010)年3月ダイヤ改正
平日は前回改正と変更なし。土休日は1本が奈良止まりに短縮。

平成23(2011)年3月ダイヤ改正
平日・土休日ともに全区間通して普通運転の2本が奈良止まりになったことで京都行が減少。

平成27(2015)年3月ダイヤ改正
平日は前回改正と変更なし。
土休日は1本のみ残っていた京都行も奈良止まりに短縮したことで種別としてなくなった。

平成28(2016)年3月ダイヤ改正
1年前の改正と変更なし。

平成31/令和元(2019)年3月ダイヤ改正
3年前の改正と変更なし。

令和2(2020)年3月ダイヤ改正
平日は1年前の改正と変更なし。
土休日は奈良行および奈良・高田行だった快速の運転区間を延長する形で京都行が復活。以前になかった点は、奈良からはみやこ路快速として運転するところ。

令和3(2021)年3月ダイヤ改正
平日は本数はそのまま、奈良から快速運転だった1本が全区間普通運転に。
土休日は、昨年の改正で生まれた全区間快速運転をする2本のうち1本が奈良止まりに戻された。
