北海道の農業と聞いて、思い浮かべる作物はいくつかあると思います。穀物では米や小麦が有名ですよね。米では代表的な品種として“きらら397”など、聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし稲作は暖かい地域を連想するので北海道の中でもやはり本州よりの地域がよく穫れるのでしょうか。
こちらのウェブサイトを見るとやはり道央や道南が相対的に米の産地になっているようですそこで、2019年のデータですがe-Statのページより北海道の市町村別農業産出額を地図に落とし込んで色分けしてみました。
その結果、やはり道央・道南に集中して米の産出高が高いことが示されていました。
(重さではなく金額ベースです) 米は私たちのイメージ通り、亜熱帯でよく育つ作物なので、亜寒帯である北海道では夏の涼しい気候に負けない品種が改良され、栽培されているようです。(出典)
このような分布になった理由は、道央地域では石狩川が日本海側に向かって流れているため稲作にとって必須の水源の確保が容易だったため、道南地域では北海道の中でも低緯度で温暖であるため気候的に作りやすいという理由だそうです。(出典)
では次に、麦はどうでしょうか。
普段よく口にする麦類は、大麦と小麦がありますが、北海道では大麦はビール用に、小麦は小麦粉用に植えられます。それぞれの収穫量については数値が公表されています。小麦粉は主食の代わりに毎日(毎食)食べる方も多いですよね。小麦は栽培時期で2通りに分けられます。秋小麦と春小麦です。この数値をコロプレス図にしてみると、下のようになりました。
図中の赤色と青色は収穫高の大小関係を表しており、同じ図の中で他の市町村と相対的に多いのか少ないのかをパッと見で可視化できます。見てみたところ、北海道の中では3パターンの市町村に分けられるようです。
①秋小麦も春小麦も生産高が大きい市町村
②秋小麦のみ、生産高が大きい市町村
③秋小麦も春小麦も生産高が小さい市町村
この3つはどのような背景で分かれるのでしょうか。次回はそこを深めていきたいと思います。